UDソリューション事業部

「放送のバリアフリー化を進める中で、自分たちは何ができるのか」

西田 浩文 UDソリューション事業部

私の所属している部署は、放送のバリアフリー化を目指している部署です。

聴覚障害用情報受信装置「アイ・ドラゴン」や、視覚障害のある方のための「テレビが聞けるラジオ」という機器の企画・開発を担当する部署です。


また字幕と手話の番組制作等も行っています。

「アイ・ドラゴン」というのは、字幕と手話の番組「目で聴くテレビ」を見るための受信機なんですが、20年近く前に開発されたもので、これのすごいのは地上波の番組に対応した手話通訳や(字幕のない番組に)字幕をリアルタイムで画面に合成してみることができるんです。

「テレビが聞けるラジオ」という製品は、かつてFMラジオでテレビの音声が聞けていましたが、地デジ化によってそれができなくなりました。そのことによって一番困った方は視覚障害のある方です。この製品には音声ガイドや点字表記、緊急地震速報自動受信機能などがあり、多くの方から喜びの声を頂いております。

アイ・ドラゴン3

「アイ・ドラゴン3」は身体障害者日常生活用具として 市町村から給付を受けていただくことができます

 

●「目で聴くテレビ」は、CS通信によって全国に配信しており、番組をごらんになるためには、専用のCS受信機「アイ・ドラゴン3」が必要です。 地上デジタルチューナーを内蔵しており、地上デジタル放送や一般番組の字幕放送も見ることができます。 DVDレコーダーなどを接続すれば、これらの番組を字幕入りで録画することができます。

●災害時には、CS通信の緊急信号を受信し、「目で聴くテレビ」の緊急放送開始を光で知らせる機能も備えています。

「テレビが聞ける」ラジオ

地デジテレビ(ワンセグ放送)とAM/FMラジオを聞くことができるラジオです。チャンネルプリセットはそれぞれ最大12チャンネルが可能。操作ボタン、ボリュームの脇には点字表示、操作の際は音声ガイドがあります。電源を切っていても緊急地震速報を受信すれば自動的に電源が入りNHK-FMの速報を放送します。

「視覚障がい者の気持ちになって、車ではなく公共交通機関を使って訪問してもらいたい」

会社に入って元々は違う部署に所属していました。

自分自身、当事者と向き合って仕事ができるかどうか自信はなかったけれど、聴覚障害者、視覚障害者の方とこれまで400人くらいの当事者の家を訪問するようになって、実際に使って頂いている方の生の声を聞ける、色々な話ができるというところにやり甲斐を感じるようになりました。当然仕事としてやっていますが、今ではほぼそれがライフワークのようなそんなことを感じています。

障害に応じた複数の補完放送を目指して

これまでのノウハウを元に、国連の専門機関である国際電気通信連合(ITU)にIPTVのアクセシビリティに関する提案を行いました。

その結果、ITU-T(通信分野の標準策定を担当する「電気通信標準化部門」)において、IPTVのアクセシビリティに関する世界初の技術仕様である「H.702」が国際標準規格として2015年10月正式に承認されました。このことにより、障害に応じた複数の補完放送(字幕、手話、音声解説)などを付与することができ、現在、H.702に準拠したIPTV受信機を開発中です。